映画「HOUSE」を見た

前から気になっていたこと、Amazonプライムビデオでもうすぐ見放題終了だったこと、最近買った2冊の映画レビュー本両方で取り上げられていたこと、といった理由から映画「HOUSE」を見た。

(北米版のジャケットの方がかっこいいと思う)

評判通り変な映画! だけど面白かった。(異様にキャラの立った)七人の少女が妖しいおばさまの住む屋敷を訪れ、一人ずつ消えていく……という話。独特の映像と派手な特撮に面食らうものの、しっかり楽しいお化け屋敷映画だった。おマセなお子様のいる家庭なら、夏休みに家族で見てもいいのでは?(ダメかも)

「カルト的人気を得ているファンタジック・ホラー」(Amazonの紹介文より)なんて言われると身構えてしまうけど、意外にもというか、話自体はホラーの王道でわかりづらいところはない。漠然と小難しそうに感じて敬遠している人には「まあ見てみなよ」と言いたい。……といってもやっぱり、変な映画であることは間違いない! 人を選ぶのは間違いないので「カルト的人気」なのだろう。愉快な映画だと思うけどな!

謎めいた屋敷、妖しいおばさま、一人ずつ消えていく子供、といった要素からついデ・ラ・メアの短編小説「なぞ」を連想したが、これは私が「なぞ」を大好きだからで、この映画と「なぞ」が似ているのだとしたら似た系統の映画すべて「なぞ」に似ていることになってしまう。

それで……ここから先はネタバレ。


それで、大して関係ないんだけど、最近「永遠に美しく…」というブラックコメディ映画も見ていたので、「永遠に(美しく)在ること」についてちょっと考えてしまった。

永遠に美しく…」は若返りの秘薬にまつわるドタバタ愛憎劇。どぎついブラックユーモアに彩られたコメディなんだけど、終盤、永遠の命を手に入れた二人が「私たちが頼り合うなんて」「毎日、毎日……」「永遠に!」とやけっぱちに笑い合ったあとでふと訪れる沈黙には、観客の心胆を寒からしめる真の恐怖が垣間見えているように思う。

やはり人間、肉を備えたまま永遠に生きようなんてのは無茶な話で、永遠に生きようとするならどこかの時点で霊的な存在にシフトしないといけないのでしょうな。その点、「HOUSE」はもはや彼女が時間を超越した存在になってしまったような美しい終わりだった。そして、それをもって映画そのものも永遠となった。