ミステリづく

色気づくなどの「づく」です。

最近(前回の日記が8/25だったのでそれ以降)、Grim Dawnのことすら1秒も考えずにフタリソウサのことしか考えていなかった。
フタリソウサの内容については、プライベートな話でもありここには詳しく書かないが、とにかくフタリソウサのことしか考えていない。そろそろGrim Dawnもやりたい。

フタリソウサのシナリオ書けないよ〜! と転げ回る中ふと思い出して『六枚のとんかつ』を読んだらあまりにもくだらなくて、「ああ、ミステリってこんなもんでいいんだなぁ」と勇気をもらえた。フタリソウサのシナリオも書けた(出来はわからない)。ありがとう六とん。

私は『六枚のとんかつ』が実は結構好きで、面白いですよと言いたいところなんだけど、本っ当にお下品でくだらない、これをバカミスと呼んだら真面目なバカミスディクスン・カー御大の『魔女が笑う夜』とか)に失礼なぐらいおバカで他人におすすめはできない。

とはいえ、読者を騙そうという気概はしっかりあり、おバカだからとあなどっているとバカバカしさを逆手に取ったトリックにハメられてしまう。そういう意味では、ちゃんと真面目なミステリだと思う。これを読んだ一部の作家や評論家の人が激怒したらしいのも全く無理はないんだけども……。

しかしやっぱり、上のようには言ったものの、「おすすめ!」とは言いづらい。他人におすすめできない理由は以下のリンクを見れば一目瞭然ですね。

bookclub.kodansha.co.jp

バカじゃないミステリとしては、山沢晴雄『死の黙劇』を買ってきた。

以前出た作品集『離れた家』も持ってはいるものの例によって例のごとく年単位で積んでいたので、著者の作品は初読となる。「生涯に亙って緻密極まりない作品を執筆」した作家だそうで、ストイックすぎてついていけなかったらどうしようかと思ったけど、少なくとも1作目の「砧最初の事件」は意外にも親しみやすかった。

「しかし、君、紐と鍵孔が奇術のネタとばかりは限らない。時間的に白であるために、犯人はいろんな工夫をこらすわけだが……」と、例によって砧の持論がはじまるのだ。

 一息ついた砧は、おもい入れよろしく紫煙をくゆらせる。一応こうした前置きをやらないと気がすまないのは、西洋の探偵小説の読みすぎではないか。

このあたりなど、作者の探偵小説好きが伺われる稚気があってクスリと笑ってしまう。残る作品も読んでいきたいところ。